津軽塗りの取っ手
三上さんが作ってくれた津軽塗りの取っ手ですが、
せっかくですので、三上さんが制作の途中で撮影してくれた
制作レポートをご紹介させていただきます。
とても丁寧に時間をかけて作って頂いたのがわかります。
ゲンジアーキでは、今後も三上さんとコラボレーションしていきたいと
思っており、伝統の息づいた空間をつくれるように頑張っていきたいです。
制作レポート!!
[1]前処理
漆の密着を高めるために表面をサンドペーパーで荒らします。
下が施工前、上が完了したものです。
[2]下塗り&マスキング
下塗りを3回塗って乾燥後、
表面をサンドペーパーで研磨し平滑にさせたものに、
ストライプの配置を計測しながら決めて鉛筆で下書き、
それに沿ってマスキングをします。
この時に柄をきめることができます。
今回はかわいいストライプ柄でお願いしました。
[3] 仕掛け工程
ストライプになる色の漆を「仕掛けベラ」と呼ばれる、
津軽塗り特有の道具でスタンプする様に転写して乗せてゆきます。
[4].仕掛け工程2
3の工程の直後にマスキングを剥がし、このまま1週間ほど乾燥させます。
[5] 上げ塗り工程
全体に紺色の漆を塗り2日かけて乾燥させます。
これをストライプ部分の凹凸が平らに埋まるまで、 3〜4回繰り返します。
[6] 研ぎ・模様出し
手前が研ぐ前の模様が埋まっている状態。
奥が荒めのペーパーで模様を軽く出した状態です。
[7]研ぎ・模様出し2
ペーパーの番手を上げて行きながら模様を出して 行きます。
研ぎ過ぎると元へは戻せないので、時間をかけて慎重に行います。
[8] 最終研ぎ前
表面が平らになり、模様をきっちり出した後、漆を表面に擦り込んだ状態です。
乾燥後、1000〜1500番のペーパーで表面の研磨キズを消し、きめを整えます。
[9] 研ぎ完了、つや磨き工程へ
研ぎ1500番完了の状態です。ここへまた漆を3回 ほど刷り込んではコンパウンドで磨くという工程 を3回繰り返します。
[10] つや磨き完了、完成
3日かけてつや磨きを終えた状態です。 漆液は茶褐色で出来立ては色合いが暗いのです が、時間が経過すると透明になって行くので、紺と緑の発色も3〜6ヶ月かけて明るく鮮やかに なって行きます。
この記事へのコメントはありません。