ヒートショック!高齢者は特に注意!?
現在の日本では、高齢者ほど断熱性能、気密性能の低い家に住んでいるという現状があります。
ヒートショックにより、体の弱い高齢者は家の中で命を落とす危険性と隣り合わせです。
冬場に暖かい部屋から、温度の低い脱衣所、さらに浴室内に入ることで「血圧が上がり」、
その後、温かい湯に入ることで「血圧が低下」します。
高齢者は、この急激な温度変化で血圧が大きく変動し、
「失神」「心筋梗塞」等を引き起こし、
「高齢者の浴槽内での不慮の溺死及び溺水による死亡事故」につながります。
交通事故よりも、自宅で死亡する!?
消費者庁から出ているデータでも、
近年では「交通事故」による死亡者数よりも「自宅の浴槽内での不慮の溺水事故」が多い。
と明言されています。
令和元年のデータを見ると、
交通事故死亡者数は、[2,508名]
浴槽内での溺水事故死亡者数は、[4,900名]
交通事故よりも、自宅で死亡する確率のほうが「約2倍」あるのです。
消費者庁では、高齢者の事故を防ぐアドバイスとして、
入浴中の事故は、持病がない場合や前兆がない場合でも起こるおそれがあります。
「自分は元気だから大丈夫」と過信せず、自分にも、もしかしたら起きるかもしれないと
「意識すること」が大切です。
と書かれています。「意識すること」で事故が防げるのでしょうか?
まとめ
こうした危険を防ぐためには、家の断熱をしっかり行って、
大きな温度差が生じないようにする事が重要です。
しかし、「家の中を全て同じ温度で一定にする」のも良いとは言えません。
もちろん、近年の暖房システムを用いれば、ほとんど家の中の温度差をなくすことも可能ですが、
実際は、トイレなどの臭いが発生する空間は、ヒートショックや結露がしない程度に、
ある程度に温度を下げた方が良いのです。
また同じ20℃でも、子どもや犬には暑く、高齢者には寒く感じられるものです。
「温度差が全く無い」
というのが理想ではなく、それぞれの場所と人に適温というものがあります。
このような温度管理を適切に行うためにも住宅の高断熱、高気密化は大切だと思いますし、
お施主様とのヒアリングによって、「それぞれの適温」を探し出すのが
私たちにとっても必要な仕事だと思っております。
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