青森の短いけども熱い夏
「ねぶた」に「ねぷた」に「よされ」に青森の短くて熱い夏が今年もやってきますね。
祭りで血が騒ぐのは青森県民あるあるなのかな。
しかし、今年もコロナで夏の祭りが続々と中止発表されていますね。寂しいかぎりです。
来年こそは安全に熱い夏が来てくれることを祈っています。
学生の頃、上京して一人暮らしをはじめた時に借りた部屋が、ロフト付きの1Kの部屋でした。
ロフトに憧れていて、部屋を借りる時は、
「ロフトに、ベットを置いて、たくさん本を置いて、寝ながら読書して寝落ちする。素敵な暮らしを!」
と色々考えていたのですが、いざ夏が来ると、夢のロフト空間は「蒸し風呂」状態でした。
エアコンの冷気は下に溜まって、暖かい空気は上部に溜まります。
寝る前に毎日エアコンの冷気をうちわで扇いで、ロフトを冷やしていたのを思い出します。
ロフトに小窓がひとつでも付いていれば、通風さえとれていれば、もう少し状況は変わっていたのかもしれませんね。
今回は、夏の暑い日は熱を遮って、冬は太陽の光を積極的に取り入れる。
そんな方法を紹介します。
太陽の日差しや通風を上手くコントロールして活かしながら設計するのが
エコハウスと言っても過言ではありません。
ポイントは「庇の長さ」です。
日差しをコントロールする「庇」
まずは、太陽の角度を見てみましょう。
エネルギーを取り入れたり、遮蔽したりするのに効果的なのは南向きです。
南に関しては、冬至の南中時は約30°、夏至の南中時は約80°の角度から日射があります。
開口部の高さの1/3程度の庇を出すと、
夏季のまぶしくて熱い日差しを遮断して、冬季には熱を遮断することができ、
上手にコントロールできると言われています。
例えば、高さが2100mmの掃き出し窓があったら、その掃き出し窓につける庇の長さは
2100mm÷3=700mm
が理想となります。
庇の長さにも適切な長さがあり、デザインの方法も様々あります。
では、南には庇を作ったとして、東側や西側はどうでしょう?
東と西の日射の高度は低いので、たとえ庇を作ったとしても建物の奥まで光が入ってきてしまいます。
なので、東西につける庇にはほとんど意味がありませんので、縦型のルーバーや袖壁を作ることで、
日射をコントロールできます。
東側の日射は、朝方の日射なので気温が低いこともあり、そんなに気にはならないかと思いますが、
西側からの「夏の西日」は防いでいくのが大切です。
飯豊型エコハウスでは、「袖壁」をデザイン的に計画し、かつ西日等の日射遮蔽にも効果があるように設計をしました。
西面には、大きな窓をつけるのはなるべく避けるのが良いかと考えます。
通風だけを期待するような窓があれば十分です。
また北側は安定した光をもたらしてくれるので、ハイサイドライト等を取り付けておくと、
一日中部屋中が明るく、そして開閉式のものにしておけば、通風も期待でき、
風の流れも作ることができると思います。
庇はなくても大丈夫??
ハウスメーカーさんの住宅って南面にも庇がついてない住宅多いなぁ。
と気になって、元ハウスメーカーだった方に話を聞くと、
「壁の汚れが雨で流せるし、デザインもスッキリするので庇は無い方が良い」
「雪で庇は折れてしまう危険性があるので、庇はつけない方が良い」
という話がでてきて少し驚きました。
色々な考え方はあるな。と思いますが、
しっかり強度計算をすれば、雪の重さでも耐えられる庇はありますし、
雪が積もったら落ちるようにすればいいだけですよね。
デザインも機能性も両立させての設計かと思います。
「庇下空間」の魅力
庇下の空間は、可能性がある空間だなと思います。
最近よく行く黒石市のこみせ通りは、軒下空間がずっと続いていてとても素敵です。
夏は日射を遮りながら、歩き疲れたら休める場所としても使えるようです。
そして冬季は、雪の落ちてこない安全な通路として歩く人達を守っています。
どこまでも続いていくトンネルのような空間は、街歩きをしていてもとても楽しい空間です。
まとめ
敷地や方位を考えずに、窓の大きさを「とりあえず大きく」とか、
庇を窓全部に「とりあえずつける」というような考え方で、計画を進めていくと
住みにくそうな住宅となることが想像できたのではないでしょうか。
太陽の日差しや通風を上手にコントロールすることで快適な住環境にを確保していきましょう!
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